ドラムセットはそのメンバーの音色(P)で指定できますが、ドラムを担うメンバー
がZメンバー1人では、同時に異なるドラムセットを鳴らすことができません。
そのためには、もう1人ドラマーをアサインする必要があります。この様な場合に
DRUMコマンドを利用すると、A〜Oまでのメンバーの内、誰か1人をドラマーとして
転向させることができます。
この指定はDRUMコマンドのパラメータに、転向させるメンバーを与えて行います。
与えられるメンバー記号は A〜O の15メンバーの内のいずれか1つです。
例えば、メンバーHさんをドラマーに転向させる場合は、以下のように記述します。
*DRUM "H"
DRUMコマンドも、HEADコマンドと同様に、1つのMuseファイルに唯一つ記述します。
ファイル中のどの位置に書いても構いませんが、複数記述することはできません。
このことは、ドラマー転向に関して次の制約があることを表しています。
どの位置にDRUMコマンドを記述したとしても、指定メンバーは最初からドラマーと して演奏に参加します。
スネアロールやシンバルロールなどを演奏させると、まるで機関銃を放ったかのよ うなブツブツした音になってしまう場合があります。これは、同音連打に対する音 源の設定によります。同音連打とは、同一音程の音を連続して鳴らすことを言い、 ドラムでは、ロール奏法としてよく出現します。通常MIDI音源では、同時発音数不 足を警戒し、特にドラムメンバーに対して同音連打の際に直ぐに前の音を止めてし まう設定になっています。このためにブツブツした機関銃音になってしまうのです。
既に(3-7)でご紹介したドラム転向コマンド *DRUM を使って、このロール残響の制 御を行うことができます。ロール残響は、0,1,2 の3つのレベルで指定します。
0:同一音の重なりを一切認めないレベル(ドラムメンバーZのデフォルト) 1:適度な重なりを認め、同時発音数不足もそれなりに押えるレベル 2:完全に重なりを認めるレベル
これらのレベル値を、*DRUM のパラメータで記述したドラムメンバー記号に添える ことで響きの制御を行います。例えばドラム転向させたHメンバーをレベル2の響 きに指定したい場合は、以下のように記述します。
*DRUM "H2"
ドラム専属のZメンバーにもこの指定を行いたい場合は、パラメータ部分に同一形 式で列挙記述します。もちろんZメンバー単独での指定も可能です。
*DRUM "H2 Z1" ←ドラム転向とロール残響を一気に指定 *DRUM "Z2" ←Zメンバーにロール残響を指定
なお、レベル値を添えない場合は、音源自体のデフォルトのレベルが採用されます。
一般的な音源のデフォルトは、Zメンバーがレベル0、その他のメンバーは レベル1に設定されているようです。レベル2にする場合は同時発音数不足 にご注意下さい。